同じ銅線でも、太さと長さが変われば抵抗値は変わります。電線の抵抗を決める式と、太さが効いてくる仕組みを押さえましょう。
先生、電線ってただの銅の線でしょ? 抵抗なんてあるの?
あるのよ。
ごくわずかだけどね。
その大きさは抵抗率を使って、R = ρL ÷ A で求められるの。
ρ(ロー)が抵抗率、L が長さ、A が断面積ですね。
補足すると、抵抗率は材質ごとに決まっている定数で、銅は小さく、鉄は大きい値になります。
長さで割るんじゃなくて、掛けるんですね…むむむ…。
そう。
長さが2倍になれば抵抗も2倍。
逆に太くなる、つまり断面積が大きくなるほど抵抗は小さくなるわ。
長いホースは水が流れにくくて、太いホースはよく流れる。
さっきの喩えのまんまだね。
そのとおり。
ただし電線で聞かれるのは断面積ではなく直径であることが多いの。
A = πD² ÷ 4 で断面積に直してから使います。
そして、ここが最大の落とし穴。
直径が2倍になると、断面積は何倍になる?
え、2倍じゃないの?
…あ。
D の2乗だから、4倍、ですか?
よく気づいたわね、ましろさん。
断面積は4倍、だから抵抗は4分の1になるの。
ここを2分の1にしてしまう受験生がとても多いのよ。
えへへ、あたし危うく引っかかるとこだった。
直径は2乗で効く、ね。
では応用問題。
A線は直径1.6mm・長さ20m、B線は直径3.2mm・長さ40m。
同じ材質のとき、B線の抵抗はA線の何倍?
うぅ〜ん…直径が2倍だから抵抗は4分の1、長さが2倍だから2倍…かけあわせて、2 ÷ 4 で…2分の1?
正解。
B線はA線の半分の抵抗になる。
太くしたぶんが長さの不利を上回った、ということね。
この「直径は2乗、長さは1乗で効く」という感覚さえあれば、実際にρの値を代入しなくても比較問題は解けるわ。
確認クイズ
直径 2.0mm・長さ 20m の電線がある。これと同じ材質で、直径 1.0mm・長さ 10m の電線の抵抗は、元の電線の何倍か。
- 1/2 倍
- 同じ
- 2倍
- 4倍
こたえを見る
正解: 3. 2倍
直径が 1/2 になると断面積は 1/4 になるので、抵抗は 4倍になります。一方で長さが 1/2 になるので抵抗は 1/2 倍。両方を掛け合わせて 4 × 1/2 = 2倍です。直径は2乗で効き、長さは1乗で効く、という違いを取り違えないことがポイントです。