電線にも抵抗があるため、電源から負荷へ電気を送る途中で電圧が少しずつ失われます。これが電圧降下です。まずはもっとも基本となる単相2線式の式 v = 2Ir を確実に押さえましょう。
先生、この前ウチの物置に長い延長コードで電気を引いたんだけどさ、電球がなんとなく暗いんだよね。
コンセントはちゃんと100Vなのに。
マジで!?
って感じ。
それはまさに電圧降下の話ね。
電線は電気をよく通すけれど、抵抗がゼロなわけではないの。
長く伸ばすほど抵抗が増えて、そのぶん負荷に届く電圧が減ってしまうわ。
オームの法則そのものですね。
電線1本の抵抗をr、流れる電流をIとすれば、その電線で失われる電圧は I×r になる、と。
そのとおり。
ただし単相2線式の配線は、行きの電線と帰りの電線の2本があるでしょう。
電流は行きの線を通って負荷に入り、帰りの線を通って電源に戻る。
だから電圧降下も2本ぶん必要なの。
うぅ〜ん…行きと帰り…お使いに出かけて、同じ道を歩いて帰ってくるみたいですねぇ。
電気も同じ距離を2回ぶん通る…
いい捉え方ね。
だから式はこう。
電圧降下 v = 2 × I × r [V]。
Iは負荷電流[A]、rは電線1本ぶんの抵抗[Ω]。
この先頭の「2」を落とす人がとても多いから、指差し確認するつもりで書いてね。
じゃあ物置の電球が暗いのは、往復ぶんの電圧が電線に食べられちゃってたってこと?
そういうことね。
ちなみに問題文でよく出てくる「こう長」は、電源から負荷までの片道の距離のこと。
往復の長さではないから気をつけて。
あ…じゃあ、こう長を2倍してから、さらに式の2を掛けたら…4倍になっちゃう…
そこが最大の落とし穴なのよ。こう長は片道、往復ぶんの面倒は式の「2」が見てくれている。
二重に数えないこと。
先生、実際に数字を入れてみてもいいですか。
電源100V、負荷電流10A、電線は1mあたり5mΩ、こう長20mとします。
どうぞ。
まず電線1本の抵抗から出しましょう。
0.005Ω/m × 20m = 0.1Ω。
これが電線1本ぶんのrです。
で、2倍だから… v = 2 × 10 × 0.1 = 2V! 負荷に届くのは 100 - 2 = 98V ってこと?
大正解。
負荷端電圧 = 電源電圧 - 電圧降下。
この引き算までがワンセットよ。
電線が長いほど、電流が大きいほど、電圧が下がる…なんだか、遠くの人に声を届けるみたいですねぇ。
確認クイズ
電源電圧104V、負荷電流10Aの単相2線式回路がある。電線1本の抵抗が0.1Ωであるとき、負荷端の電圧はいくらか。
- 102V
- 103V
- 101V
- 100V
こたえを見る
正解: 1. 102V
単相2線式の電圧降下は v = 2Ir です。v = 2 × 10A × 0.1Ω = 2V。よって負荷端電圧 = 104V - 2V = 102V。選択肢2の103Vは「2」を掛け忘れて 10 × 0.1 = 1V としてしまった誤答です。