電圧降下の基本

電線の抵抗によって生じる電圧降下のしくみと、単相2線式の基本式 v = 2Ir を解説します。往復2本ぶんを数える「2」とこう長の扱いが最大のポイントです。

編集・検証: 第二種電気工事士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 電気技術者試験センター 制作・検証方針

電線にも抵抗があるため、電源から負荷へ電気を送る途中で電圧が少しずつ失われます。これが電圧降下です。まずはもっとも基本となる単相2線式の式 v = 2Ir を確実に押さえましょう。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

先生、この前ウチの物置に長い延長コードで電気を引いたんだけどさ、電球がなんとなく暗いんだよね。
コンセントはちゃんと100Vなのに。
マジで!?
って感じ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

それはまさに電圧降下の話ね。
電線は電気をよく通すけれど、抵抗がゼロなわけではないの。
長く伸ばすほど抵抗が増えて、そのぶん負荷に届く電圧が減ってしまうわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

オームの法則そのものですね。
電線1本の抵抗をr、流れる電流をIとすれば、その電線で失われる電圧は I×r になる、と。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

そのとおり。
ただし単相2線式の配線は、行きの電線と帰りの電線の2本があるでしょう。
電流は行きの線を通って負荷に入り、帰りの線を通って電源に戻る。
だから電圧降下も2本ぶん必要なの。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

うぅ〜ん…行きと帰り…お使いに出かけて、同じ道を歩いて帰ってくるみたいですねぇ。
電気も同じ距離を2回ぶん通る…

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい捉え方ね。
だから式はこう。
電圧降下 v = 2 × I × r [V]。
Iは負荷電流[A]、rは電線1本ぶんの抵抗[Ω]。
この先頭の「2」を落とす人がとても多いから、指差し確認するつもりで書いてね。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

じゃあ物置の電球が暗いのは、往復ぶんの電圧が電線に食べられちゃってたってこと?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

そういうことね。
ちなみに問題文でよく出てくる「こう長」は、電源から負荷までの片道の距離のこと。
往復の長さではないから気をつけて。

雪村 ましろ(びっくり) 雪村 ましろ

あ…じゃあ、こう長を2倍してから、さらに式の2を掛けたら…4倍になっちゃう…

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこが最大の落とし穴なのよ。こう長は片道、往復ぶんの面倒は式の「2」が見てくれている。
二重に数えないこと。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、実際に数字を入れてみてもいいですか。
電源100V、負荷電流10A、電線は1mあたり5mΩ、こう長20mとします。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

どうぞ。
まず電線1本の抵抗から出しましょう。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

0.005Ω/m × 20m = 0.1Ω。
これが電線1本ぶんのrです。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

で、2倍だから… v = 2 × 10 × 0.1 = 2V! 負荷に届くのは 100 - 2 = 98V ってこと?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

大正解。
負荷端電圧 = 電源電圧 - 電圧降下。
この引き算までがワンセットよ。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

電線が長いほど、電流が大きいほど、電圧が下がる…なんだか、遠くの人に声を届けるみたいですねぇ。

確認クイズ

電源電圧104V、負荷電流10Aの単相2線式回路がある。電線1本の抵抗が0.1Ωであるとき、負荷端の電圧はいくらか。

  1. 102V
  2. 103V
  3. 101V
  4. 100V
こたえを見る

正解: 1. 102V

単相2線式の電圧降下は v = 2Ir です。v = 2 × 10A × 0.1Ω = 2V。よって負荷端電圧 = 104V - 2V = 102V。選択肢2の103Vは「2」を掛け忘れて 10 × 0.1 = 1V としてしまった誤答です。

深見つむぎ、戸倉ジャスミンが放課後の教室でボードゲームを楽しむ様子

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