工場やビルの動力回路で使われる三相3線式では、電圧降下の式に√3が登場します。v = √3Ir という形をそのまま覚え、√3 ≒ 1.73 として計算できるようにしましょう。
先生、学校の実習室に「三相200V」って書いてあるコンセントがありました。
あれって、家のとは違うものなのぉ?
ええ、まったく別物ね。三相3線式は、位相が120度ずつずれた3つの電圧を3本の電線で送る方式。
電動機を回すのがとても得意で、工場や大きな建物の動力回路に使われるのよ。
3本ってことは…電圧降下は3倍になるの? 単相2線式が2本で2倍だったんだから。
ふふ、素直に考えるとそうなるわよね。
でも答えは3倍ではないの。
三相3線式の電圧降下は v = √3 × I × r。
ルート3、つまり約1.73倍よ。
えーっ! なんで3じゃなくて1.73なの?
3本の電流は位相が120度ずつずれているので、単純な足し算にならないからです。
ベクトルで合成すると√3という係数が出てくる、という理屈ですね。
そう。
導出は二種の範囲を超えるから、線間電圧どうしを比べる電圧降下は「√3をつける」と割り切って覚えて大丈夫。
単相2線式は2、単相3線式(100V回路)は1、三相3線式は√3。
この3点セットね。
2、1、ルート3…数字の並びだけ覚えておけばいいんですね。
rは電線1本ぶんの抵抗であることも共通です。
3本ぶんを足したりはしません。
そのとおり。
では例題。
三相3線式の200V回路で、電線1本の抵抗が0.1Ω、負荷電流が20A。
電圧降下はいくらになる?
ちょっと待って…√3が1.73だから、1.73 × 20 × 0.1 = 3.46。
だいたい3.5Vくらい?
正解よ。
負荷端の線間電圧は 200 - 3.46 = 約196.5V ということになるわね。
よっしゃ、掛け算3つ並べるだけなら得意かも!
うぅ〜ん…でも1.73って中途半端…えっと、「人並みにおごれや」で1.7320508…って覚えるんでしたっけ。
計算では1.73まで使えば十分ね。
選択肢もそのくらいの精度で作られているから。
電圧降下の式は、どの配電方式かを見極めたら半分終わり。
問題文の冒頭に「三相3線式」と書いてあったら、反射的に√3を書き出せるようにしておきましょう。
確認クイズ
三相3線式の回路で、電線1本の抵抗が0.15Ω、負荷電流が10Aである。この配線の電圧降下はおよそいくらか。ただし√3は1.73とする。
- 約2.6V
- 約1.5V
- 約3.0V
- 約4.5V
こたえを見る
正解: 1. 約2.6V
三相3線式の電圧降下は v = √3 I r です。v = 1.73 × 10A × 0.15Ω = 2.595 ≒ 約2.6V。選択肢2の1.5Vは√3を掛け忘れた誤答、選択肢3の3.0Vは単相2線式の式 (2Ir) を使ってしまった誤答、選択肢4は3倍してしまった誤答です。