三相3線式の電圧降下

三相3線式の電圧降下 v = √3Ir を、単相2線式・単相3線式の式と対比しながら整理します。√3 ≒ 1.73 での計算練習つきです。

編集・検証: 第二種電気工事士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 電気技術者試験センター 制作・検証方針

工場やビルの動力回路で使われる三相3線式では、電圧降下の式に√3が登場します。v = √3Ir という形をそのまま覚え、√3 ≒ 1.73 として計算できるようにしましょう。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

先生、学校の実習室に「三相200V」って書いてあるコンセントがありました。
あれって、家のとは違うものなのぉ?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ええ、まったく別物ね。三相3線式は、位相が120度ずつずれた3つの電圧を3本の電線で送る方式。
電動機を回すのがとても得意で、工場や大きな建物の動力回路に使われるのよ。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

3本ってことは…電圧降下は3倍になるの? 単相2線式が2本で2倍だったんだから。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

ふふ、素直に考えるとそうなるわよね。
でも答えは3倍ではないの。
三相3線式の電圧降下は v = √3 × I × r。
ルート3、つまり約1.73倍よ。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

えーっ! なんで3じゃなくて1.73なの?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

3本の電流は位相が120度ずつずれているので、単純な足し算にならないからです。
ベクトルで合成すると√3という係数が出てくる、という理屈ですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
導出は二種の範囲を超えるから、線間電圧どうしを比べる電圧降下は「√3をつける」と割り切って覚えて大丈夫。
単相2線式は2、単相3線式(100V回路)は1、三相3線式は√3。
この3点セットね。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

2、1、ルート3…数字の並びだけ覚えておけばいいんですね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

rは電線1本ぶんの抵抗であることも共通です。
3本ぶんを足したりはしません。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり。
では例題。
三相3線式の200V回路で、電線1本の抵抗が0.1Ω、負荷電流が20A。
電圧降下はいくらになる?

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

ちょっと待って…√3が1.73だから、1.73 × 20 × 0.1 = 3.46。
だいたい3.5Vくらい?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

正解よ。
負荷端の線間電圧は 200 - 3.46 = 約196.5V ということになるわね。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

よっしゃ、掛け算3つ並べるだけなら得意かも!

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

うぅ〜ん…でも1.73って中途半端…えっと、「人並みにおごれや」で1.7320508…って覚えるんでしたっけ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

計算では1.73まで使えば十分ね。
選択肢もそのくらいの精度で作られているから。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

電圧降下の式は、どの配電方式かを見極めたら半分終わり。
問題文の冒頭に「三相3線式」と書いてあったら、反射的に√3を書き出せるようにしておきましょう。

確認クイズ

三相3線式の回路で、電線1本の抵抗が0.15Ω、負荷電流が10Aである。この配線の電圧降下はおよそいくらか。ただし√3は1.73とする。

  1. 約2.6V
  2. 約1.5V
  3. 約3.0V
  4. 約4.5V
こたえを見る

正解: 1. 約2.6V

三相3線式の電圧降下は v = √3 I r です。v = 1.73 × 10A × 0.15Ω = 2.595 ≒ 約2.6V。選択肢2の1.5Vは√3を掛け忘れた誤答、選択肢3の3.0Vは単相2線式の式 (2Ir) を使ってしまった誤答、選択肢4は3倍してしまった誤答です。

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