電柱の上の灰色の箱、あれが変圧器です。巻数比・鉄損と銅損・V結線という3点を押さえれば、試験で問われる範囲はほぼ制覇できます。
先生、電柱に灰色のバケツみたいなのがぶら下がってるじゃん? あれ何が入ってるの?
ふふ、バケツね。
あれは変圧器、トランスよ。
6600Vの高圧を、家庭で使う100Vや200Vに下げてくれる、縁の下の力持ちなの。
変圧器は鉄心に一次巻線と二次巻線を巻いたもの。
一次巻線の巻数をN1、二次巻線の巻数をN2とすると、電圧比は巻数比に等しくなる…つまりV1 : V2 = N1 : N2という理解で合っていますか?
合っているわ。
そして電流は逆比になるの。
巻数が多い側は電圧が高く電流が小さい。
巻数が少ない側は電圧が低く電流が大きい。
うぅ〜ん…電圧と電流が、あべこべ?
電力は変わらないから、と考えると腑に落ちるわ。
V1×I1 = V2×I2 だもの。
電圧を10分の1にしたら、電流は10倍になる。
あー、なるほど! シーソーみたいなもんか。
片方上げたら片方下がる。
いい喩えね。
では計算例。
一次巻線1000回、二次巻線50回、一次側に6600Vをかけたら二次電圧は?
えっと…6600の、50わる1000だから…20分の1で、330V?
正解よ。
よくできました。
あの、変圧器って動かないのに熱くなりますよね。
何かエネルギーを失ってるんですか?
そこに触れてくれるのを待っていたの。
損失は2種類あるわ。
ひとつが鉄損、もうひとつが銅損よ。
鉄損は鉄心で起きる損失で、ヒステリシス損と渦電流損の合計。
電源をつないでいるかぎり、負荷がゼロでも発生し続けるから「無負荷損」とも呼ぶわ。
一方の銅損は巻線の抵抗による損失。
電流の2乗に比例するから、負荷が重くなるほど急激に増える。
だから「負荷損」ね。
うぅ…名前が似すぎ。
鉄と銅、どっちがどっちか混ざりそう。
鉄心の損失だから鉄損、銅線の損失だから銅損…そのまんまで覚えられますよ?
あ、ほんとだ。
ましろちゃん天才じゃん。
最後にもうひとつ。
単相変圧器2台で三相の電力を送る方法があって、それをV結線というの。
3台使うΔ結線に比べて、変圧器が1台少なくて済むのが利点よ。
V結線の三相出力は、変圧器1台の容量の√3倍。
3台のΔ結線に比べると出力は約57.7%にとどまるけれど、故障や増設への対応がしやすいという運用上の強みがあるわ。
確認クイズ
一次巻線1000回、二次巻線50回の単相変圧器の一次側に6600Vを加えたとき、二次電圧[V]はいくらか。
- 132
- 330
- 660
- 1320
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正解: 2. 330
電圧比は巻数比に等しいので、V2 = 6600 × 50 ÷ 1000 = 330V です。巻数比が20対1なので、電圧も20分の1になります。3の660Vは巻数比を10対1と誤って計算した場合の値です。
確認クイズ
変圧器の損失に関する記述として、正しいものはどれか。
- 鉄損は負荷電流の2乗に比例して増加する
- 銅損は負荷の大小にかかわらず一定である
- 鉄損はヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷によらずほぼ一定である
- 銅損は鉄心で発生する損失である
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正解: 3. 鉄損はヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷によらずほぼ一定である
鉄損は鉄心で発生する損失で、ヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷の大小によらずほぼ一定です(無負荷損)。一方、銅損は巻線の抵抗による損失で、負荷電流の2乗に比例します(負荷損)。選択肢1と2は鉄損と銅損の性質が入れ替わっており、4は銅損の発生場所を誤っています。