変圧器の基礎 - 巻数比・鉄損と銅損・V結線

電圧比は巻数比、電流比はその逆比。鉄損と銅損の違い、単相変圧器2台で三相を送るV結線までを計算例つきで解説します。

編集・検証: 第二種電気工事士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 電気技術者試験センター 制作・検証方針

電柱の上の灰色の箱、あれが変圧器です。巻数比・鉄損と銅損・V結線という3点を押さえれば、試験で問われる範囲はほぼ制覇できます。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

先生、電柱に灰色のバケツみたいなのがぶら下がってるじゃん? あれ何が入ってるの?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

ふふ、バケツね。
あれは変圧器、トランスよ。
6600Vの高圧を、家庭で使う100Vや200Vに下げてくれる、縁の下の力持ちなの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

変圧器は鉄心に一次巻線と二次巻線を巻いたもの。
一次巻線の巻数をN1、二次巻線の巻数をN2とすると、電圧比は巻数比に等しくなる…つまりV1 : V2 = N1 : N2という理解で合っていますか?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

合っているわ。
そして電流は逆比になるの。
巻数が多い側は電圧が高く電流が小さい。
巻数が少ない側は電圧が低く電流が大きい。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

うぅ〜ん…電圧と電流が、あべこべ?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

電力は変わらないから、と考えると腑に落ちるわ。
V1×I1 = V2×I2 だもの。
電圧を10分の1にしたら、電流は10倍になる。

戸倉 ジャスミン(笑顔) 戸倉 ジャスミン

あー、なるほど! シーソーみたいなもんか。
片方上げたら片方下がる。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい喩えね。
では計算例。
一次巻線1000回、二次巻線50回、一次側に6600Vをかけたら二次電圧は?

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

えっと…6600の、50わる1000だから…20分の1で、330V?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

正解よ。
よくできました。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

あの、変圧器って動かないのに熱くなりますよね。
何かエネルギーを失ってるんですか?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこに触れてくれるのを待っていたの。
損失は2種類あるわ。
ひとつが鉄損、もうひとつが銅損よ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

鉄損は鉄心で起きる損失で、ヒステリシス損と渦電流損の合計。
電源をつないでいるかぎり、負荷がゼロでも発生し続けるから「無負荷損」とも呼ぶわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

一方の銅損は巻線の抵抗による損失。
電流の2乗に比例するから、負荷が重くなるほど急激に増える。
だから「負荷損」ね。

戸倉 ジャスミン(しょんぼり) 戸倉 ジャスミン

うぅ…名前が似すぎ。
鉄と銅、どっちがどっちか混ざりそう。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

鉄心の損失だから鉄損、銅線の損失だから銅損…そのまんまで覚えられますよ?

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

あ、ほんとだ。
ましろちゃん天才じゃん。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

最後にもうひとつ。
単相変圧器2台で三相の電力を送る方法があって、それをV結線というの。
3台使うΔ結線に比べて、変圧器が1台少なくて済むのが利点よ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

V結線の三相出力は、変圧器1台の容量の√3倍。
3台のΔ結線に比べると出力は約57.7%にとどまるけれど、故障や増設への対応がしやすいという運用上の強みがあるわ。

確認クイズ

一次巻線1000回、二次巻線50回の単相変圧器の一次側に6600Vを加えたとき、二次電圧[V]はいくらか。

  1. 132
  2. 330
  3. 660
  4. 1320
こたえを見る

正解: 2. 330

電圧比は巻数比に等しいので、V2 = 6600 × 50 ÷ 1000 = 330V です。巻数比が20対1なので、電圧も20分の1になります。3の660Vは巻数比を10対1と誤って計算した場合の値です。

確認クイズ

変圧器の損失に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 鉄損は負荷電流の2乗に比例して増加する
  2. 銅損は負荷の大小にかかわらず一定である
  3. 鉄損はヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷によらずほぼ一定である
  4. 銅損は鉄心で発生する損失である
こたえを見る

正解: 3. 鉄損はヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷によらずほぼ一定である

鉄損は鉄心で発生する損失で、ヒステリシス損と渦電流損からなり、負荷の大小によらずほぼ一定です(無負荷損)。一方、銅損は巻線の抵抗による損失で、負荷電流の2乗に比例します(負荷損)。選択肢1と2は鉄損と銅損の性質が入れ替わっており、4は銅損の発生場所を誤っています。

香月リサ先生、深見つむぎ、雪村ましろ、戸倉ジャスミンが文化祭のカフェ準備を楽しむ様子

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