電動機を多く使う工場では、力率が下がって電気を効率よく使えなくなります。その特効薬が進相コンデンサです。接続方法と効果を確実に押さえましょう。
先生、工場の壁に白い箱がずらっと並んでるの見たんだけど、あれ何?
進相コンデンサね。
力率を改善するための機器よ。
工場では欠かせない存在なの。
力率…前に習いました。
有効電力と皮相電力の比、ですよね?
そう。
電動機のような誘導性負荷が多いと、電流が電圧より遅れてしまって力率が下がるの。
仕事をしていない無効電力が増えるということね。
ちょっと待って。
仕事してない電流が流れてるってこと? それ、無駄じゃん?
よく気づいたわね。
まさにそこが問題なのよ。
仕事をしていないのに電線には確かに流れているから、電線は発熱するし、電圧も降下してしまうの。
コンデンサは電流が電圧より進む性質を持つわ。
だから遅れ気味の電流を打ち消して、無効電力を減らせる。
それが力率改善よ。
遅れているものを、進むもので相殺する…なんだか、綱引きみたいですね。
あっ、それ分かりやすい! 引っ張り合って真ん中に戻す感じじゃん。
うまい喩えね。
さて、ここからが試験の核心。
進相コンデンサは、負荷に対してどう接続すると思う?
えっと…直列? 電流を通すんだから、線の途中に入れる…?
いいえ、並列接続よ。
負荷と並列に入れるの。
直列に入れてしまうと負荷にかかる電圧が変わってしまうもの。
そう、必ず「負荷と並列」。
この一点は毎回のように問われるわ。
直列という選択肢に引っかからないでね。
えへへ、あぶなかった。
並列、並列っと。
力率がよくなると、具体的に何が得なんですか?
同じ有効電力を送るのに必要な電流が減るわ。
電流が減れば、電線で発生する電力損失は電流の2乗に比例するから大きく下がる。
電圧降下も小さくなるの。
そして変圧器や配電線の容量にも余裕が生まれる。
電気料金の力率割引を受けられるケースもあるわ。
得しかない、というわけね。
コンデンサさん、地味だけどすごく偉いんですね。
低圧の進相コンデンサには、電源を切ったあとに残る電荷を逃がすための放電抵抗が必要なことも覚えておいてね。
感電を防ぐためよ。
確認クイズ
低圧屋内配線で、進相コンデンサを用いて力率を改善する場合の接続方法と効果として、正しいものはどれか。
- 負荷と直列に接続し、線路の電力損失を軽減する
- 負荷と並列に接続し、線路の電力損失を軽減する
- 負荷と直列に接続し、負荷にかかる電圧を上昇させる
- 負荷と並列に接続し、有効電力を増加させる
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正解: 2. 負荷と並列に接続し、線路の電力損失を軽減する
進相コンデンサは負荷と並列に接続し、遅れ無効電力を打ち消して力率を改善します。その結果、同じ有効電力を送るのに必要な線路電流が減り、電力損失と電圧降下が軽減されます。直列接続は誤りです。また、力率改善で減るのは無効電力であり、有効電力そのものが増えるわけではないため4も誤りです。