工場やビルの動力設備で使われるのが三相交流。Y結線とΔ結線という2つのつなぎ方と、√3という係数が主役になります。
先生、三相交流ってなに? 電気が3本あるってこと?
ふふ、ほぼ正解よ。三相交流は、位相が120度ずつずれた3つの交流をセットで送るしくみ。
モーターを効率よく回せるから、工場や動力設備で使われているの。
つなぎ方は2種類。Y結線(スター結線)とΔ結線(デルタ結線)です。
うぅ〜ん…どっちも同じに見えちゃいます。
形で覚えるといいわ。
Yは中心の1点から3本が伸びる星形。
Δは3つの負荷が三角形にぐるりと輪をつくる形よ。
ここで用語を2つ。
電線と電線のあいだの電圧が線間電圧、負荷1個にかかる電圧が相電圧。
電流も同じく線電流と相電流に分かれます。
マジで!? 電圧も電流も2種類ずつ…頭がこんがらがってきた。
整理すれば単純よ。
Y結線では、線間電圧が相電圧の√3倍。
電流のほうは線電流と相電流が等しいの。
補足すると、Δ結線はちょうど裏返しです。
線間電圧は相電圧と等しく、線電流が相電流の√3倍。√3が電圧に付くか電流に付くかが入れ替わるだけ、と捉えると覚えやすいですね。
…あ、片方が同じなら、もう片方に√3が付く。
そういうルールなんですね。
ましろさん、それがいちばん短い覚え方ね。
ちなみに√3は約1.73よ。
数字で確かめましょう。
線間200VのY結線に、各相10Ωの抵抗。
相電圧は 200 ÷ 1.73 = 約115.5V。
相電流は 115.5 ÷ 10 = 約11.55A で、線電流もそのまま11.55A。
じゃあΔのほうは? 同じ200Vで同じ10Ωなら。
Δは線間電圧がそのまま相電圧だから…相電流は 200 ÷ 10 = 20A。
線電流はその√3倍で、20 × 1.73 = 約34.6A、ですか?
完璧ね。
同じ電源、同じ抵抗でも、つなぎ方を変えるだけで線電流はまるで違う値になる。
ここが三相の面白さであり、試験で狙われるところなの。
つなぎ方で3倍近く変わるのか…。
これは間違えたら大事故だね。
確認クイズ
線間電圧 200V の三相交流電源に、Y結線(スター結線)の負荷を接続した。1相にかかる相電圧[V]は、およそいくらか。
- 約87V
- 約115V
- 約200V
- 約346V
こたえを見る
正解: 2. 約115V
Y結線では 線間電圧 = √3 × 相電圧 の関係があるので、相電圧 = 線間電圧 ÷ √3 = 200 ÷ 1.73 ≒ 115V です。選択肢3の200Vは、Δ結線の場合の相電圧(線間電圧と等しい)。選択肢4は逆に√3を掛けてしまった値です。Y結線は「相電圧のほうが小さい」と押さえておきましょう。