工場や病院など、電気を止められない現場もあります。そんなときのために「絶縁抵抗測定の代わり」として認められている方法があります。キーワードは1mAです。
先生、絶縁抵抗を測るには停電しなきゃいけないんですよね?
でも、病院のサーバーとか止められないところはどうするんですか?
とても実務的な質問ね。
よく気づいたわね。
実は、絶縁抵抗の測定が困難な場合には、代わりの方法が認められているの。
漏えい電流を測る方法ですね。
使用電圧が加わった状態、つまり通電したままで漏えい電流を測り、1mA以下であればよいとされています。
マジで!?
通電したまま測っていいの?
ええ。
ただし条件つきよ。
あくまで「絶縁抵抗の測定が困難な場合」の代用。
原則は絶縁抵抗測定で、こちらは例外だという位置づけを間違えないでね。
むむむ…1ミリアンペア。
すごく小さい電流ですねぇ。
そうですね。
ドライヤーが十数アンペア流れることを考えれば、1mAは1万分の1程度。
それだけ「漏れていない」ことを求められているわけです。
で、その小さい電流ってどうやって測るの?
普通の電流計じゃ無理そうだけど。
クランプ形漏れ電流計を使うわ。
電線を挟むだけで測れるから、回路を切らずに済むのが利点ね。
挟むだけ…洗濯ばさみみたいですぅ。
でも、電線を1本ずつ挟むんですかぁ?
そこが大事な点です。
漏れ電流を測るときは、その回路の電線を一括して挟みます。
単相2線式なら2本まとめて、単相3線式なら3本まとめてです。
えーっ、なんで?
1本ずつ測った方が正確じゃないの?
行きと帰りの電流は本来同じ大きさで向きが逆。
まとめて挟めば、正常なら打ち消し合って0になるの。
0にならず残った分こそが、大地へ漏れている電流というわけね。
おお〜!
差が出た分だけが漏れてる電流。
要は「行った電気と帰ってきた電気の差」ってこと?
そのとおりです。
ちなみに、負荷電流を測るときは電線を1本だけ挟みます。
挟む本数で測るものが変わるので、ここは区別しておきましょう。
数値としては、絶縁抵抗の代用は1mA以下。
ここは絶対に落とせない数字よ。
確認クイズ
低圧電路において、絶縁抵抗の測定が困難な場合、使用電圧が加わった状態における漏えい電流の許容される最大値はどれか。
- 0.1mA
- 1mA
- 10mA
- 100mA
こたえを見る
正解: 2. 1mA
絶縁抵抗の測定が困難な場合は、使用電圧が加わった状態における漏えい電流が1mA以下であればよいとされています。測定にはクランプ形漏れ電流計を用い、その回路の電線を一括して挟んで測ります。0.1mAや10mAといった紛らわしい数値が選択肢に並ぶので、1mAという値を正確に記憶しておきましょう。