単相3線式で上下の負荷が等しくないとき、その差の電流が中性線に流れます。中性線電流を求める計算は頻出。差を取るだけの簡単な操作ですが、断線時の危険とセットで理解しておきましょう。
先生、質問があります。
平衡負荷では中性線の電流はゼロと習いましたが、実際の住宅で上下の負荷がぴったり等しくなることなんて、まずないですよね。
そのとおりね。
現実は必ず不平衡になるわ。
そこで大事になるのが、中性線に流れる電流をどう求めるかということ。
うぅ…平衡ならゼロ、じゃないときは…足すの? 引くの?
引き算よ。
上側の負荷電流と下側の負荷電流の差が、そのまま中性線電流になるの。
式で書けば、中性線電流 = 上下の負荷電流の差の大きさ。
つまり、上下の電流が中性線の中で逆向きに流れていて、打ち消し合った残りが流れる、という理解で合っていますか?
そう、まさにそれ。
だから平衡していれば差はゼロで電流も流れない。
差が大きいほど中性線に負担がかかるということね。
うぅ〜ん…綱引きみたいですねぇ。
両側が同じ力なら真ん中の旗は動かなくて、片方が強いとその差だけ動いちゃう…
あ、その例えわかりやすい! じゃあ上が15A、下が9Aなら、中性線には 15 - 9 = 6A?
正解よ。
単純な引き算なのだけれど、うっかり足して24Aと答える人が毎年いるの。
落ち着いて引くこと。
この不平衡は、電圧降下の計算にも影響します。
中性線に電流が流れれば、中性線でも電圧降下が発生しますから。
そうね。
そして何より怖いのが、不平衡の状態で中性線が切れたときよ。
前に習った中性線欠相…上下の機器が直列になって、200Vを分け合っちゃうお話ですね。
具体的に見てみましょう。
100V・200Wの照明と、100V・1000Wの電熱器が上下についていたとするわ。
抵抗はそれぞれ50Ωと10Ωね。
中性線が切れると、この50Ωと10Ωが直列で200Vにつながります。
電流は 200 ÷ 60 = 約3.33A。
照明にかかる電圧は 3.33 × 50 = 約167V…!
えーっ! 100Vの照明に167V!? そりゃ壊れるって。
消費電力の小さい機器、つまり抵抗の大きい機器ほど危ない。
これが中性線をなにより大切に扱う理由なのよ。
確認クイズ
単相3線式の回路で、一方の電圧線と中性線の間の負荷に15A、もう一方の電圧線と中性線の間の負荷に9Aが流れている。中性線に流れる電流はいくらか。ただし負荷はすべて抵抗負荷とする。
- 6A
- 24A
- 12A
- 0A
こたえを見る
正解: 1. 6A
中性線には上下の負荷電流の差が流れます。15A - 9A = 6A。選択肢2の24Aは足し算にしてしまった誤答、選択肢3の12Aは平均値を取ってしまった誤答、選択肢4の0Aは平衡負荷のときの値です。上下の電流は中性線の中で逆向きに流れ、打ち消し合った残りだけが流れます。