過負荷や短絡から回路を守るのが遮断器、感電と漏電から人を守るのが漏電遮断器です。動作時間と定格感度電流の数値は必ず暗記しましょう。
うちの分電盤、この前ブレーカーが落ちてさ。
ドライヤーと電子レンジ同時に使ったら真っ暗になったんだけど。
それが配線用遮断器の仕事よ。
電流が定格を超えて流れ続けると、電線が過熱して火災になる。
それを防ぐために自動で回路を切るの。
配線用遮断器はMCCBとも呼ばれますね。
過負荷と短絡の両方から回路を保護します。
ヒューズと違って、動作しても交換不要で再投入できるのが利点。
でも、ちょっと超えただけですぐ落ちたら不便じゃないですか?
そこが賢いところ。
動作時間が電流の大きさで決まっているの。
定格電流30A以下の配線用遮断器なら、定格の1.25倍で60分以内、2倍で2分以内に動作すること、と決められているわ。
うぅ…数字が2つも。
ええと、1.25倍で60分、2倍で2分…?
大きな電流ほど短時間で切る、と考えれば自然でしょう。
ちなみに定格電流そのものでは動作しない、というのも大前提ね。
電流が大きいほど危ないから、急いで切る…なるほど、理にかなってます。
次が漏電遮断器。
こちらは目的がまったく違うわ。
配線用遮断器が「電線を守る」ものなら、漏電遮断器は「人を守る」ものなの。
人を守る? どういうこと?
機器の絶縁が悪くなって電気が外に漏れると、その金属部分に触れた人に電流が流れて感電するわ。
漏電遮断器は、行きと帰りの電流の差を検出して、漏れがあれば瞬時に回路を切るの。
数値は絶対に落とせないところよ。
人体保護を目的とするものは、定格感度電流30mA以下、動作時間0.1秒以内。
この2つはセットで暗記して。
30mA…すごく小さい電流ですね。
それでも人には危険なんですか?
ええ。
数十mAでも心臓に影響が出ることがあるの。
だから0.1秒という短さが必要なのよ。
焦らず、この数字だけは確実にね。
電動機まわりでは電磁開閉器も重要です。
電磁接触器と熱動継電器、いわゆるサーマルリレーを組み合わせたもので、遠隔操作と過負荷保護を兼ねます。
遠隔操作? 離れたところから入切できるってこと?
そう。
電磁石でコイルに電流を流すと接点が閉じる仕組みだから、小さな押しボタンで大きな電流を扱えるの。
あとはモータブレーカね。
電動機の大きな始動電流では動作しないよう作られた、電動機保護兼用の遮断器よ。
補足すると、古い設備ではカバー付ナイフスイッチも見かけます。
刃を手で開閉する開閉器で、ヒューズを内蔵しているものもありますね。
確認クイズ
低圧電路に施設する漏電遮断器のうち、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断し、人体を保護する目的のものについて、定格感度電流と動作時間の組合せとして正しいものはどれか。
- 定格感度電流 30mA以下、動作時間 0.1秒以内
- 定格感度電流 30mA以下、動作時間 1秒以内
- 定格感度電流 100mA以下、動作時間 0.1秒以内
- 定格感度電流 300mA以下、動作時間 0.5秒以内
こたえを見る
正解: 1. 定格感度電流 30mA以下、動作時間 0.1秒以内
人体保護を目的とする漏電遮断器は、定格感度電流30mA以下、動作時間0.1秒以内のもの(高感度高速形)を用います。人体に流れる電流はごくわずかでも危険なため、小さな漏れ電流を素早く検出して遮断する必要があります。100mAや300mAのものは、感電保護ではなく地絡による火災防止などを目的とした機器です。
確認クイズ
定格電流30A以下の配線用遮断器が、定格電流の2倍の電流が流れたときに自動的に動作しなければならない時間の限度として、正しいものはどれか。
- 1分以内
- 2分以内
- 4分以内
- 60分以内
こたえを見る
正解: 2. 2分以内
定格電流30A以下の配線用遮断器は、定格電流の1.25倍の電流で60分以内、2倍の電流で2分以内に自動的に動作することが求められます。電流が大きいほど短時間で遮断する、という原則で覚えましょう。選択肢4の60分は1.25倍のときの値です。