抵抗とリアクタンスが混ざった交流回路。その合計の「流れにくさ」がインピーダンスです。単純な足し算ではないところがポイントです。
抵抗が8Ω、コイルが6Ω…合わせて14Ωでいいんですかぁ?
そう思うわよね。
でも違うの。
交流では、抵抗とリアクタンスはそのまま足せないのよ。
うぅ…なんで? 足し算くらいさせてよ。
前回やった位相のずれが原因ね。
抵抗の電圧と、コイルの電圧はタイミングが90度ずれている。
ずれたものをそのまま足すと合わないの。
むむむ…同じ方向を向いていないものは足せない、ということですか?
よく気づいたわね、ましろさん。
まさにベクトルの話。
だから直角三角形の斜辺を求めるように計算するの。
それがインピーダンス、Z=√(R²+X²)です。
Z の単位も抵抗と同じオーム[Ω]。
三平方の定理じゃん! 数学が電気に出てくるとは思わなかった。
では最初の例。
R = 8Ω、XL = 6Ω なら、8の2乗が64、6の2乗が36、足して100。
その平方根で Z = 10Ω よ。
14Ωじゃなくて10Ωなんですね…。
足し算より小さくなるんだ。
ここで登場するのが3-4-5の直角三角形。
3と4なら5、6と8なら10、この2組は試験で本当によく出るから、平方根の計算をせずに即答できるようにしておくといいわ。
おお〜、暗記ショートカット! それはありがたい。
コンデンサも入る場合は、まずリアクタンス同士を打ち消し合わせるの。Z=√(R²+(XL−XC)²) ね。
XL と XC は向きが真逆だから、引き算になるわ。
たとえば R = 8Ω、XL = 10Ω、XC = 4Ω なら、まず 10 − 4 = 6Ω。
そこから Z = √(64 + 36) = 10Ω。
さっきと同じ形に落ち着きます。
打ち消し合ってから三平方…順番が大事なんですね。
そう。
そして Z さえ出れば、あとは交流版のオームの法則I=V/Z。
100V なら 100 ÷ 10 = 10A。
ここまで来れば直流と同じ感覚で解けるわ。
確認クイズ
抵抗 3Ω と誘導性リアクタンス 4Ω を直列に接続した回路に、交流 100V を加えた。流れる電流[A]はいくらか。
- 10A
- 14.3A
- 20A
- 25A
こたえを見る
正解: 3. 20A
まずインピーダンスを求めます。Z = √(3² + 4²) = √(9 + 16) = √25 = 5Ω(3-4-5 の直角三角形)。次に I = V ÷ Z = 100 ÷ 5 = 20A です。選択肢2は 3 + 4 = 7Ω と単純に足してしまった場合(100 ÷ 7 ≒ 14.3)の値。抵抗とリアクタンスは足せない、という原則を思い出しましょう。