交流回路には、抵抗のほかに「電流を流れにくくするもの」がもう2種類あります。コイルとコンデンサ、そしてリアクタンスの登場です。
交流の回路って、結局オームの法則でいけるんでしょ? 抵抗で割ればいいんじゃないの?
それが、そう単純にはいかないの。
交流にはコイルとコンデンサという、抵抗とは違う邪魔者が出てくるのよ。
どちらも交流の流れを妨げますが、熱を出さずに妨げるのが特徴です。
この妨げの大きさをリアクタンスと呼び、単位は抵抗と同じオーム[Ω]です。
熱を出さないのに、流れにくくなるんですかぁ? 不思議…。
エネルギーを一時的に溜めて、また返しているの。
だから消費しない。
ここは力率の回でまた出てくるわ。
コイルの妨げは誘導性リアクタンス、XL=2πfL。
L はインダクタンスで単位はヘンリー[H]です。
f が式に入ってるってことは…周波数が高いほど流れにくくなるってこと?
そのとおり。
コイルは急な変化を嫌うから、速く振動する高い周波数ほど強く抵抗するのよ。
逆にコンデンサは容量性リアクタンス、XC=1/(2πfC)。
f が分母にあるので、周波数が高いほど流れやすくなります。
マジで!? コイルと真逆じゃん。
ややこしい…。
えへへ、でも真逆だと思えば、片方覚えればもう片方も出てきますね。
ましろさん、それは賢い覚え方ね。
C の単位はファラド[F]だけれど、実際にはマイクロファラド[μF]で出題されることが多いから、換算に注意してね。
計算してみましょう。
50Hz で L = 0.1H のコイルなら、XL = 2 × 3.14 × 50 × 0.1 = 約31.4Ω。
50Hz で C = 100μF のコンデンサなら…XC = 1 ÷ (2 × 3.14 × 50 × 0.0001) で、約31.8Ω、でしょうか。
どちらも正解。
そしてもうひとつ大事なのが位相。
コイルでは電流が電圧より90度遅れ、コンデンサでは電流が電圧より90度進むの。
試験では、この遅れ・進みが力率やインピーダンスの計算に直結するわ。
ここを取り違えると全部ずれるから、しっかり区別してね。
確認クイズ
周波数 50Hz、自己インダクタンス 0.2H のコイルの誘導性リアクタンス[Ω]は、およそいくらか。
- 約6.3Ω
- 約31.4Ω
- 約62.8Ω
- 約100Ω
こたえを見る
正解: 3. 約62.8Ω
誘導性リアクタンスは XL = 2πfL なので、2 × 3.14 × 50 × 0.2 = 約62.8Ω です。選択肢2は L = 0.1H としてしまった場合の値。周波数と自己インダクタンスの両方が大きくなるほどリアクタンスも大きくなる、という比例関係を押さえておきましょう。