三相回路の電力は、線間電圧と線電流に√3を掛けて求めます。相の値から積み上げる方法と合わせて、2つのルートを使い分けましょう。
三相の電力って、単相の3倍でいいんですかぁ?
あらあら、いい引っかかり方ね。
惜しいけれど、単純に3倍ではないの。
三相電力の公式はP=√3VIcosθ。
V が線間電圧、I が線電流です。
3ではなく√3、つまり約1.73が掛かります。
えーっ! なんで3じゃないの? 3本あるのに。
使っているのが線間電圧と線電流だからよ。
1相あたりの相電圧・相電流で計算するなら、たしかに3倍でいいの。
つまり、線の値で計算するなら√3、相の値で計算するなら3、という理解で合っていますか?
ふぇぇ〜、2つもルートがあると迷っちゃいます…。
その理解で正解よ。
そしてどちらの道を通っても答えは必ず一致するから、迷わなくていいの。
問題文が線間電圧をくれたら√3の式、各相の抵抗をくれたら相から積み上げる。
そう決めておけば大丈夫よ。
実際に解いてみましょう。
線間200Vの三相電源に、Δ結線で各相10Ωの抵抗。
抵抗だけなので力率は1です。
Δだから相電圧は200Vのまま。
相電流は 200 ÷ 10 = 20A。
線電流は 20 × 1.73 = 約34.6A、だよね。
そこから P = √3 × 200 × 34.6 × 1 = 約12000W、つまり12kW。
相から積み上げるほうもやってみます。
1相が 20² × 10 = 4000W で、それが3つ…12000W。
同じになりました!
えへへ、両方から挟み撃ちにできると安心感がすごいね。
では確認。
同じ電源、同じ10Ωを、今度はY結線にしたら電力はどうなる?
Yの相電圧は 200 ÷ 1.73 = 約115.5V、相電流は約11.55A。
1相 11.55² × 10 で約1333W、3相で約4000W。
つまり4kW、Δのちょうど3分の1です。
そう。
同じ負荷でも、Δ結線はY結線の3倍の電力になる。
この関係は試験で繰り返し問われるから、結論として覚えてしまってもいいわ。
確認クイズ
線間電圧 200V の三相交流回路に、線電流 10A が流れている。力率が 80% のとき、三相電力[W]は、およそいくらか。
- 約1600W
- 約2000W
- 約2770W
- 約4800W
こたえを見る
正解: 3. 約2770W
三相電力は P = √3 × V × I × cosθ で求めます。P = 1.73 × 200 × 10 × 0.8 ≒ 2770W です。選択肢1は√3を掛け忘れた場合(200 × 10 × 0.8 = 1600)の値、選択肢4は√3ではなく3を掛けてしまった場合の値です。線間電圧と線電流を使うときは√3、という点を確実に押さえましょう。