分岐回路の過電流遮断器は、分岐点からできるだけ近くに設けるのが原則です。ただし分岐した電線が十分に太ければ距離を延ばせます。3m・8m・制限なしの3段階を押さえましょう。
先生、分岐回路の遮断器って、分岐したところのすぐそばに付けないといけないんですか?
原則はそうよ。
分岐点から3m以下の位置に設けること。
分岐したのに遮断器が遠いと、その間の電線は誰にも守られていない区間になってしまうでしょう。
あー、審判のいない区間ができちゃうってことか。
そこで短絡が起きたら誰も止められない。
うまい言い方ね。
ただし例外があるの。
分岐した電線が十分に太ければ、その電線自体が過電流に耐えられるから、距離を延ばしてもいいことになっているわ。
これが分岐回路の施設位置の緩和ね。
基準になるのは、元の幹線を保護している過電流遮断器の定格電流に対する、分岐した電線の許容電流の割合ですね。
そう。
その割合が35%以上なら8m以下まで延ばせる。
さらに55%以上なら、距離の制限はなくなるの。
マジで!? 制限なしって、どこまでも延ばしていいの?
そういうことね。
分岐した電線が十分太いから、幹線の遮断器がちゃんと保護してくれると考えられるのよ。
3mが原則、35%以上で8m、55%以上で制限なし…数字が3つ…むむむ…
「3・8・無制限」と「35%・55%」をセットで覚えるといいですね。
3mと35%が並ぶのは偶然ですが、記憶の助けにはなります。
では例題。
幹線を保護している過電流遮断器の定格が100A。
分岐した電線の許容電流が40Aだとしたら?
40 ÷ 100 = 0.4 で40%。
35%以上だから…8m以下!
正解。
では許容電流が60Aだったら?
60%ですから55%以上。
距離の制限はありません。
じゃあ30Aだったら30%で、35%に届かないから…原則どおり3m以下、ですね。
そのとおり。
試験では割合を計算させて、どの段階に当てはまるかを問う形がほとんどよ。
まず割り算、次に段階判定。
この順番を守ってね。
確認クイズ
定格電流100Aの過電流遮断器で保護されている低圧屋内幹線から分岐して、許容電流35Aの電線を使用する。この分岐回路に施設する過電流遮断器は、分岐点から何m以下の位置に設ければよいか。
- 3m
- 8m
- 制限はない
- 5m
こたえを見る
正解: 2. 8m
分岐した電線の許容電流35Aは、幹線の過電流遮断器の定格100Aの35%にあたります。35%以上55%未満なので8m以下まで延ばせます。選択肢1の3mは35%に満たない場合の原則、選択肢3の「制限はない」は55%以上の場合です。まず割合を計算してから段階を判定しましょう。