幹線の過電流遮断器の定格

電動機を含む幹線を保護する過電流遮断器の定格は、3IM+IHと2.5IWのうち小さいほうが上限になります。計算手順を例題で確認します。

編集・検証: 第二種電気工事士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 電気技術者試験センター 制作・検証方針

幹線の太さが決まったら、次はそれを守る過電流遮断器の定格を決めます。電動機がある場合は「3IM + IH」と「2.5IW」の2つを計算し、小さいほうを上限とするのがルールです。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、幹線の太さは前回で決まりました。
次はその幹線を守る過電流遮断器ですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。過電流遮断器は電線が焼けないように電流を切る装置。
ただし電動機がある幹線では、定格を小さくしすぎると始動のたびに落ちてしまうの。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

えーっ! エアコンを付けるたびにブレーカーが落ちるとか、最悪じゃん。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

でしょう。
だから始動電流に耐えられるだけの余裕を持たせつつ、電線は確実に守る。
その両立のために2つの上限が決められているのよ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

1つめが 3IM + IH、2つめが 2.5IW ですね。
IWは幹線の許容電流。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり。
そして、この2つを計算して小さいほうを遮断器の定格電流の上限とするの。
大きいほうではないわ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

うぅ〜ん…どうして小さいほうなんですか?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

どちらの条件も「これを超えてはならない」という上限だからです。
両方を同時に満たすには、厳しいほう、つまり小さいほうに合わせる必要があります。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

あ、なるほど…どっちの門も通らないといけないから、狭いほうの門に合わせる…

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

とても素敵な言い換えね。
では計算しましょう。
電動機の合計IM = 40A、それ以外IH = 20A。
幹線の電線の許容電流IWは70Aとするわ。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

まず 3IM + IH は… 3 × 40 = 120、それに20を足して 140A。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

次に 2.5IW は 2.5 × 70 = 175A です。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

では答えは?

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

小さいほうだから…140A! よっしゃ、これが遮断器の定格の上限だ。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

正解よ。
実務ではこの値を超えない範囲で、規格にある定格 (100A、125Aなど) から選ぶことになるわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

つまり、まず幹線の許容電流IWを求め、次にこの2式で遮断器の上限を求める、という順番で解いていくという理解で合っていますか?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

完璧ね。
問題文でIWが与えられていることも多いから、そのときは素直に2式を計算するだけよ。

確認クイズ

電動機の定格電流の合計が30A、電熱器の定格電流の合計が15Aの負荷に電気を供給する幹線がある。幹線の電線の許容電流が60Aであるとき、この幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の最大値はいくらか。

  1. 105A
  2. 150A
  3. 120A
  4. 90A
こたえを見る

正解: 1. 105A

2つの上限を計算します。(1) 3IM + IH = 3 × 30 + 15 = 90 + 15 = 105A。(2) 2.5IW = 2.5 × 60 = 150A。小さいほうを採用するので最大値は105Aです。選択肢2の150Aは大きいほうを選んでしまった誤答、選択肢4の90AはIHを足し忘れた誤答です。

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