幹線の太さが決まったら、次はそれを守る過電流遮断器の定格を決めます。電動機がある場合は「3IM + IH」と「2.5IW」の2つを計算し、小さいほうを上限とするのがルールです。
先生、幹線の太さは前回で決まりました。
次はその幹線を守る過電流遮断器ですね。
そう。過電流遮断器は電線が焼けないように電流を切る装置。
ただし電動機がある幹線では、定格を小さくしすぎると始動のたびに落ちてしまうの。
えーっ! エアコンを付けるたびにブレーカーが落ちるとか、最悪じゃん。
でしょう。
だから始動電流に耐えられるだけの余裕を持たせつつ、電線は確実に守る。
その両立のために2つの上限が決められているのよ。
1つめが 3IM + IH、2つめが 2.5IW ですね。
IWは幹線の許容電流。
そのとおり。
そして、この2つを計算して小さいほうを遮断器の定格電流の上限とするの。
大きいほうではないわ。
うぅ〜ん…どうして小さいほうなんですか?
どちらの条件も「これを超えてはならない」という上限だからです。
両方を同時に満たすには、厳しいほう、つまり小さいほうに合わせる必要があります。
あ、なるほど…どっちの門も通らないといけないから、狭いほうの門に合わせる…
とても素敵な言い換えね。
では計算しましょう。
電動機の合計IM = 40A、それ以外IH = 20A。
幹線の電線の許容電流IWは70Aとするわ。
まず 3IM + IH は… 3 × 40 = 120、それに20を足して 140A。
次に 2.5IW は 2.5 × 70 = 175A です。
では答えは?
小さいほうだから…140A! よっしゃ、これが遮断器の定格の上限だ。
正解よ。
実務ではこの値を超えない範囲で、規格にある定格 (100A、125Aなど) から選ぶことになるわ。
つまり、まず幹線の許容電流IWを求め、次にこの2式で遮断器の上限を求める、という順番で解いていくという理解で合っていますか?
完璧ね。
問題文でIWが与えられていることも多いから、そのときは素直に2式を計算するだけよ。
確認クイズ
電動機の定格電流の合計が30A、電熱器の定格電流の合計が15Aの負荷に電気を供給する幹線がある。幹線の電線の許容電流が60Aであるとき、この幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の最大値はいくらか。
- 105A
- 150A
- 120A
- 90A
こたえを見る
正解: 1. 105A
2つの上限を計算します。(1) 3IM + IH = 3 × 30 + 15 = 90 + 15 = 105A。(2) 2.5IW = 2.5 × 60 = 150A。小さいほうを採用するので最大値は105Aです。選択肢2の150Aは大きいほうを選んでしまった誤答、選択肢4の90AはIHを足し忘れた誤答です。