幹線は分電盤へ電気を送る大動脈。電動機は始動時に大きな電流が流れるため、電動機がある場合は定格電流の合計を割増しして幹線の太さを決めます。電動機の合計が50A以下なら1.25倍、50Aを超えるなら1.1倍がキーワードです。
先生、幹線ってなに? 幹って書くくらいだから、太い線ってこと?
近いわね。幹線は引込口から分電盤までをつなぐ、いわば大動脈。
ここから枝分かれして各部屋へ行くのが分岐回路よ。
幹線には全体の負荷電流がまとめて流れますから、太さの決定は重要ですね。
そう。
基本は「つながる機器の定格電流の合計以上の許容電流を持つ電線」を選ぶこと。
ただし電動機があると話が変わるの。
うぅ〜ん…電動機だけ特別扱い?
電動機は回り始める瞬間に、定格の何倍もの電流が流れるからよ。
定格ぴったりで設計すると、始動のたびに電線が悲鳴を上げてしまうの。
あー、それわかる。
ダッシュのスタートって一番きついもんね。
いい例えね。
だから割増しするの。
電動機の定格電流の合計をIM、それ以外の機器 (電熱器や照明) の合計をIHと置くわ。
ここから幹線の許容電流の最小値が決まるの。
場合分けが必要ですよね。
ええ、3つに分かれるわ。
まず、IMがIH以下のとき。
このときは割増し不要で、IM + IH 以上あればいいの。
電動機が少数派なら、まわりが助けてくれる…みたいなことでしょうか。
そんなイメージね。
次に、IMがIHを超えるとき。
ここで割増しが登場するわ。
IMが50A以下なら1.25倍、IMが50Aを超えるなら1.1倍。
それにIHを足すの。
うぅ…条件が多くて頭がこんがらがる。
整理しましょう。
(1) IMがIH以下 → IM + IH。
(2) IMがIHを超えてIMが50A以下 → 1.25×IM + IH。
(3) IMがIHを超えてIMが50Aを超える → 1.1×IM + IH。
この3行だけです。
あらあら、つむぎさんのほうが板書が上手ね。
では確認。
IM = 30A、IH = 20A のときは?
IMのほうが大きくて、50A以下だから…1.25 × 30 + 20 = 37.5 + 20 = 57.5A! この値以上の許容電流を持つ電線を選べばいいんだね。
正解。
ちなみに IM = 60A、IH = 20A なら 1.1 × 60 + 20 = 86A。
割増率が下がるのがポイントよ。
確認クイズ
電動機の定格電流の合計が30A、電熱器の定格電流の合計が10Aである負荷に電気を供給する幹線がある。この幹線に必要な許容電流の最小値はいくらか。
- 47.5A
- 40A
- 43A
- 50A
こたえを見る
正解: 1. 47.5A
電動機の合計IM = 30A、それ以外IH = 10A。IMがIHを超えており、かつIMは50A以下なので、必要な許容電流は 1.25 × IM + IH = 1.25 × 30 + 10 = 37.5 + 10 = 47.5A 以上となります。選択肢2の40Aは割増しをしなかった (IM + IH) 誤答、選択肢3の43Aは1.1倍を使ってしまった誤答です。